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「満月をきれいと僕は言えるぞ」
(三五館)1500円税別
宮田俊也・山元加津子著が
発売になりました。
前書きを引用します。
私の心は確かにここにあるのに、
私の心が言葉となって届かない。
届かないどころか、私の中に、
心があることすら、だれにも気づいてもらえない。
不安とさびしさに叫びたかった。
「助けて。わたしはここにいるの。気がついて!!」
そんな悲しい気持ちで目が覚めました。
夢から覚めたあとも、
その状態にもし自分がおかれたら、いったいどうしたらいい
のだろうとそのことをずっと考えていました。
ロックト・イン・シンドロームという言葉があります。
日本語で閉じ込め症候群といわれています。
思いをしっかりと持っていながら、
体のどこも動かないために、
自分の思いを伝達する方法がなく、
心が閉じ込められた状態をいいます。
私の元同僚で親友の宮田俊也さん
(宮ぷー)はそのロックト・イン・シンドロームの状態にありました。
やがて宮ぷーはゆっくりではありますが、奇跡的な回復をつづけ、
動き出した頭や指の動きを意思伝達装置につなげ、
言葉を紡ぎだすようになりました。
ロックト・イン・シンドロームに限らず、
何らかの理由で、気持ちを伝えたいと願いながらも、
伝えることのできない人たちは世界中に、
数百万人、あるいは数千万人いるといわれています。
そして、その多くの人が、意思伝達の方法が広まっていないために、
情報が届かず、そのために思いが伝えられないという現実があるのです。
近視には、メガネやコンタクトが必要とだれでも知っているように、
もし、世界中に、
意思伝達の方法や意思伝達装置の存在が当たり前になっていたら、
その現実は大きく変わっていたでしょう。
ただ、「知らない」というそれだけのために、
たったそれだけの理由のために、何年も何十年もの長い間、
心を閉じ込めて、目の前の人に「大好き」と言えない。
「ありがとう」と言えない。「さびしかった」と言えない。
心が通わせられない。そんなことがあっていいはずはないのです。
宮ぷーは脳出血のためですが、
交通事故や他の病気など、意思が伝えられなくなる原因はいろいろあって、
それは突然やってきます。もし、自分が伝えられない状況に
なったときに、自分がいくら方法を知っていても、
まわりの人が方法を知らなければ、夢の中の私のように、
思いを伝えることはできないでしょう。
広まっていないということが、他人事ではないのです。
自分もまた、いつその状況になるかわからないのです。
私は、特別支援学校の教員を長くしています。
子どもたちは、どんなに障害が重くても、必ずだれもが思いを持っていて、
だれもが思いを伝えたいのだということを教えてくれます。
いっしょに気持ちを伝える方法を探して、
それが見つかったときの笑顔は、
何にもたとえようのないほどに輝いています。
この物語は、宮ぷーや仲間がヘッドライトの光となって、
すべての人が気持ちを伝えられるように
暗闇の中を照らしながら突き進む物語です。
そして、「読んでくださる皆さんも、仲間になってください、
意思伝達の方法があることを多くの人に伝えてください」
というお願いの物語でもあります。
今日は月がきれいです。
宮ぷーはある日、急に涙を見せて
「満月をきれいと僕は言えるぞ」と言いました。
きれいな月をきれいと言える、大好きな人に好きと言える、
おいしいものをおいしいと言える、
当たり前のように私たちが思っていることが、
決して当たり前ではなかったのです。
心が揺さぶられて私も涙がこぼれました。
あなたも私も、そしてすべての人が、これから先、
いつまでも、自分のあふれる思いを相手に伝えられるように、
「意思伝達大作戦」がはじまります。
私も、この本を応援しています。
何らかの理由で、気持ちを伝えたいと願いながらも、
伝えることのできない人たちは世界中に、数百万人、
あるいは数千万人いると言われています。
そして、その多くの人が、意思伝達の方法が広まっていないために、
情報が届かず、そのために思いが伝えられないという現実があるのです。
近視には、メガネやコンタクトが必要と誰でも知っているように、
もし、世界中に、意思伝達の方法や意思伝達装置の存在が当たり前になっていたら、
その現実は大きく変わっていたでしょう。
ただ、「しらない」というそれだけのために、たったそれだけの理由のために、
何年も何十年もの長い間、心を閉じ込めて、目の前の人に「大好き」と言えない。
「ありがとう」と言えない。「さびしかった」と言えない。
心が通わせられない。そんなことがあっていいはずはないのです。
どうぞ、みなさん、意思伝達の方法を知ってください。
そして、広めていただけたらうれしいです。
意思伝達希望カード(ノースティカード)
ダウンロードはこちら
↓
http://ohanashi-daisuki.com/hiroba/index.html
私の心がここにあることに気づいて!わかって!という意味です。
意思伝達の方法をいくら本人が知っていても、
それをまわりに伝えられない状況に万一なってしまった場合、
まわりの方が知っていなければ、
意思伝達の方法や意思伝達装置を用意してはもらえないと思います。
「おはなしだいすき」を見た記憶はそのときに必ず役に立ってくれると思うのです。
「意思伝達希望カード」はぜひ、そういう意味でいつも持っていていただきたいです。
意思伝達の方法が広まればいいというのは、
そういうつらい状況の方を少なくしたいという思いでしたが、
でも、本当は違う。自分や、愛する家族のためでもあるのですね。
宮ぷーとかっこちゃんドキュメンタリー